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知っておきたい塗装や屋根の豆知識
建物の寿命を延ばす!塗装メンテナンスの重要性と具体的な方法
2024/06/24
建物の外装を長持ちさせるためのメンテナンス手法として「塗装メンテナンス」があります。
これは経年劣化した塗膜を新しい塗装で補修する方法で、建物への雨水の浸入を防ぐ効果もあります。
ただし、塗装には防水以外にも重要な役割があります。
この記事では、塗装が果たす様々な機能や、具体的な施工方法、塗料の種類について詳しく解説します。
塗装の主な効果
金属製の屋根材や板金部分は、長期的な強度維持が不可欠です。そのため、外部環境から表面を守る保護が必要となります。また、建物の見た目を整えるうえでも塗装は重要な役割を果たしています。以下では、塗装がもたらす3つの主要な効果について説明します。
美観の向上
多様な種類がある塗料を使用することで、建物の外観を美しく整えることができます。近年は太陽光の反射率まで考慮した高機能塗料も登場しており、建物の特性に合わせた選択で見た目を大きく改善できます。
表面の保護
塗装の最も基本的な役割は表面保護です。
これは塗装工事において最優先される機能の一つです。
屋根や外壁は雨風や紫外線に常時さらされ、劣化しやすい部分です。塗装により、これらの外的要因からの保護が可能になります。屋内の家具でもニス塗装で耐久性が増しますが、外装では特にその効果が顕著です。
機能性の付加
現代の塗料は、耐久性の向上だけでなく、様々な機能を備えています。「防カビ」「防汚」「耐熱性」「撥水性」などの特性を持つ塗料を選ぶことで、建物の外装に新たな機能を追加できます。
このような機能性塗料は、建物の外装を最適な状態に保つための強力なツールとなっています。
塗装の種類
一般的に塗装は刷毛やブラシで行うイメージが強いですが、実際には様々な専門的な塗装方法が存在します。以下では代表的な塗装技術をご紹介します。
焼付塗装
高温処理によって塗膜を形成する特殊な塗装技術です。専用の塗料を使用し、100~200℃以上の熱を加えることで硬化させます。通常の液体塗料と異なり、加熱により強固な塗膜を形成できる特徴があります。
製品の特性に応じて最適な温度で処理を行い、高い耐久性と速やかな製品化が可能となります。
電着塗装
電気化学的な原理を利用した塗装方法で、製品と塗料の間に電位差を設けることで均一な塗膜を形成します。導電性のある素材にのみ適用可能ですが、複雑な形状でも均一な塗装が実現できます。
特に自動車の防錆処理として広く採用されており、下地処理として重要な役割を果たしています。
静電塗装
静電気の力を利用して微細な塗料粒子を付着させる技術です。製品と塗料噴射装置の間に電位差を設けることで、効率的かつ美しい仕上がりを実現します。
気泡の発生を抑制し、塗料の無駄も最小限に抑えられる環境配慮型の塗装方法です。
紫外線硬化塗装
紫外線照射により塗料を瞬時に硬化させる最新の塗装技術です。わずか数秒の照射で塗膜が形成され、従来の方法と比べて大幅な時間短縮が可能です。
有害物質の発生が少なく、環境負荷の低減に貢献する次世代型の塗装方法として評価されています。
塗料の種類について
耐久性を大きく高めることができる塗装ですが、塗料については大きく分けて2つの種類があります。
それぞれの特徴を知っておくことでより効果的な塗装を行うことが可能となります。
溶剤塗装
こちらは樹脂、顔料、添加材などを有機溶剤に溶解して塗装しやすくした状態の塗料です。
有機溶剤は溶解できるものが多くなっており、蒸発速度が速いだけでなく揮発性にも優れているために乾燥しやすいということもあって幅広く塗装で使用されています。
ただ、有機溶剤は環境汚染の危険性があるために使用する際には安全対策が必要となります。
メラミン塗装
こちらは「合成樹脂焼付塗装」とも呼ばれる塗装です。
塗料製品としてもそれほど高くなく、コストパフォーマンスが良い種類となっています。
耐久性や耐水性を向上させる効果も期待でき、ツヤの加減が違う種類が多く出ているため調整しやすいというメリットもあります。
アクリル塗装
アクリル塗料はアクリル樹脂を主成分とする塗料で、塗装すると発色が良く、美しく鮮やかな仕上がりになるという塗料です。
アクリル塗料はカラーバリエーションも多く、値段も安いということで幅広く使用されている塗料と言えます。
アクリル塗料の多くは1液型であり、すぐに使用できて重ね塗りの必要もないというメリットがあります。
フッ素塗装
フッ素塗装は建物の外壁や道路の建造物などで多く使用されている塗装方法です。
防汚性が高く、紫外線にも強いという特徴があり、使用場所がある程度限定的なものとなっています。
他の塗料と比べて少し値段が高めというのも特徴です。
エポキシ樹脂塗装
エポキシ樹脂塗料は防カビ性、防食性、接着性などに非常に優れている塗料です。
外壁や屋根の中でも錆びやすい部分で多く使用されます。
ただ、エポキシ樹脂塗装をする場合は紫外線に弱いという特徴があるため、その上から紫外線に強いトップコートを塗装して補強する必要性があります。
シリコン樹脂塗装
シリコン樹脂塗装は弾性が強いシリコン樹脂でできている塗料を使用します。
弾性が強いため伸縮性にも優れており、ひび割れしやすい壁などで多く使われます。
他の塗料と比べても耐久性や弾力性が強い塗料ですが、熱がこもりやすいという特徴もあるため膨れ上がってしまい、見た目が悪くなるという場合もあります。
粉体塗装
粉体塗装は大きく「固形に塗料を使用して対象物に吹き付けておこなう方法(吹付け塗装)」と「粉のプール内に高温にした対象物を浸漬して塗装する方法(浸漬塗装)」という2種類があります。
浸漬塗装は静電気を使用せずにそのまま塗料を乗せていくため高膜厚に仕上げていくことが可能となっています。
▷外壁塗装における「塗料」の選び方!種類別の特徴から耐用年数までを解説!
塗装作業に必要な器具
塗装の品質を確保するためには、適切な器具の選択と正確な技術の適用が不可欠です。以下では、主要な塗装器具についてご説明します。
ハケ、ローラー
ハケは塗装作業の基本となる道具で、細部の仕上げに最適です。一方、ローラーは広い面積を効率的にカバーできる特徴があります。
これらは比較的安価で扱いやすい道具ですが、優れた仕上がりを実現するには熟練した技術が求められます。
スプレー
スプレー塗装には「エアスプレー塗装」と「エアレススプレー塗装」の2つの方式があります。エアスプレー塗装では、圧縮空気で塗料を微細な粒子にして吹き付けます。この方法は均一な仕上がりと、複雑な形状への対応が特徴です。
エアレススプレーは高圧で塗料を噴射する方式で、塗料の利用効率が高いのが特長です。
こて
伝統的な左官技法で使用される道具です。職人の熟練度によって独特の風合いを生み出すことができます。
高粘度の塗料を使用する必要があり、素材や用途に応じて「竹」「プラスチック」「金属」など異なる種類のこてを使い分けます。
塗装工事に関連する資格制度
塗装作業を実施するにあたり、特定の資格が要求される場合があります。主な資格は以下の2つのカテゴリーに分類されます。
「国家資格」
・塗装技能士・・・専門的な塗装施工技術を証明する資格(1級~3級)
有機溶剤作業主任者・・・化学物質の安全な取り扱いに関する資格
乙4種危険物取扱者・・・可燃性物質の管理に必要な資格
「民間資格」
・外装劣化診断士・・・建物外装の状態を専門的に評価する資格
・壁診断士・・・外壁に関する総合的な知識を認定する資格
・カラーコーディネーター検定・・・配色や色彩設計に関する資格
・色彩検定・・・色彩理論と実践的な応用力を認定する資格
これらの資格保持者による施工は、高品質な仕上がりと安全性の確保につながります。
まとめ
塗装は建物の外装を守り、美観を保つだけでなく、様々な機能を付加する重要なメンテナンス手法です。適切な塗料を選び、正確な施工を行うことで、建物の耐久性が向上し、快適な環境を維持できます。
また、最新の塗装技術や特殊な機能を持つ塗料の活用により、従来以上に高性能な外装保護が可能となっています。さらに、塗装作業を行う際には、適切な資格を持つ専門家に依頼することで、高品質で安全な施工が期待できます。
定期的な塗装メンテナンスを通じて建物の寿命を延ばし、価値を守ることが、より快適で安心な生活環境づくりにつながるのです。
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施工実績
良彩建装は、大阪府富田林市・河内長野市を中心に各種塗装工事をご提供しています。このたびはご依頼いただきありがとうございました。
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