雨漏り放置からくる健康被害とは

2022/12/28

雨漏りは家を守っている屋根や壁に不具合があり、雨水が浸入してくることです。
その程度は大きいものから小さいものまであり、大きいものなら生活に差支えるため対処せざるをえません。しかし小さい程度のものであれば、緊急性が低いため後回しにしがちです。

壁や天井にシミができている程度なら放置しているケースは少なくないようです。
家に雨漏りがしているのを、そのまま放置するとどうなるのでしょうか。
木材などの材料が水分を含み、劣化・腐食していくのはもちろんですが、住んでいる人間の健康にも被害が及ぶことがあるのをご存じでしょうか。
雨漏りを放置した際の健康被害について考えます。

雨漏り放置からくる健康被害

1.カビの発生とアレルギーやぜんそく

雨漏りで天井や壁にシミができているのを発見しても、見た目が悪いだけで、ただちに生活に差し支えるわけではありません。
とはいえ、そのまま雨漏りを放置しておくと、シミがだんだん広がっていき、さらに放置すると天井板が膨らんだり壁紙、クロスが浮いてきたり剝がれてきます。

そのままにしておくと家全体の湿度が高くなり、その結果起きるのが、カビの発生です。カビは嫌な臭いだけでなくアレルギーやぜんそくなどを引き起こし、人間の健康に被害を及ぼします。

もともと花粉アレルギーなどを持っている人は敏感ですし、花粉症ではない人でも、くしゃみ、鼻づまり、鼻水などアレルギー性鼻炎を発症し、深刻な気管支ぜんそくや呼吸困難、肺炎まで発展します。

また、カビが発生するころには屋根の下地や柱や梁など構造木部の劣化、腐食はかなり進んでいる段階になります。

2.ダニも発生

雨漏りを放置することで、カビと同様にダニの増殖を促進します。ダニは高温多湿の環境を好んで住みつきます。

ダニには種類がありますが、床のじゅうたんや布団に発生し、刺されたり、皮膚に寄生されたりすることで起きるかゆみと、気管支ぜんそくや鼻炎などのアレルギー症状を引き起こしたり、死骸やフンが原因で体調を崩すことがあります。

かゆみだけでも数日は続き、夜眠れないなどの深刻な被害、２次被害まで引き起こします。
さらに、全身倦怠感や頭痛、筋肉痛、関節痛などに発展するなど、住む人間に健康被害をもたらすことがあります。

ことによってはカビやダニをエサとしているネズミなどの小動物も寄ってきます。

3.漏電→感電

雨水が屋根裏や壁内を伝わることで起きるのが、漏電です。電気配線やコード、スイッチ器具などへ伝わっていくことで漏電が起こると、停電や家電の故障・火災などが起こりやすくなり、人体にも感電することがあります。

4.傾き、湿気、臭いなどでストレス・体調不良

雨漏りを放置して、柱や梁などの木材が濡れて湿気を帯びてしまう状態が続くと劣化し腐食してしまいます。特に床下は湿気がたまるとシロアリが発生しやすくなります。

シロアリに木材を食べられて、気が付いたら家が傾いているというケースも多くあります。
家が傾くと家の被害だけでなく、実は人間の健康にも被害が及びます。

平衡感覚が狂い、頭痛がしたり耳鳴りがしたりします。
さらに家全体の湿気が高くなり、カビの発生などによる臭いによって知らないうちにストレスがたまり、やる気が失せてしまったりうつ気味になるなどの体調不良も報告されています。

雨漏り放置からくる健康被害を避けるために

雨漏り放置からくる健康被害を避けるためには、まず雨漏りを修理しなくてはなりません。
天井や壁にシミがあるなど雨漏りしていることが分かっている場合には、まず雨漏りの原因を突き止めることからスタートします。しかし雨漏りの原因は意外に特定するのが難しく、下地や屋根裏を複雑に伝わってくることがあります。

その場合は専門の業者に調査してもらうことをおススメします。いずれにしても雨漏りの修理で自分でできることは限られていますので、修理費用はかかりますが、家の劣化や健康被害に比べれば高くありません。

雨漏りが小規模のために目に見えてわからないというケースもあります。
それでも家の築年数が経つほど雨漏りの可能性は上がりますので、定期的な点検メンテナンスを欠かさないことで早期に不具合を発見することができます。