外壁や屋根の「定期点検」はいつ行うべき？劣化を早期発見するコツ

2025/11/25

外壁や屋根は、過酷な環境にさらされて、日々劣化が進むため、定期点検が必要です。
では、どのようなタイミングで定期点検を行うべきなのか、注意すべき劣化症状について解説します。

外壁や屋根は定期点検が必要

外壁や屋根は、日々、太陽の熱や紫外線、風雨にさらされ続ける過酷な環境にあるため、時間とともに劣化が進みます。
外壁や屋根の劣化が進行すると最終的には、ひび割れたり、欠けたりすることもありますし、錆びて穴が空くこともあります。
このようにして生じた隙間から雨水が浸入するようになり、建物内部での雨漏りにつながります。
雨漏りが生じてしまうと、建物を支える柱や梁、土台、耐力壁といった重要な構造部分も腐ってしまい、建物の耐久性や寿命にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
こうした事態を防ぐために、外壁や屋根は定期点検が必要なのです。

外壁や屋根の定期点検を行わない場合のリスク

外壁や屋根の定期点検を行わない場合は、建物の耐久性が低下し、寿命が短くなるリスクがあります。
外壁や屋根が劣化し、機能が失われてしまうと、雨水が浸入するようになります。
しかし、雨水が浸入してもすぐに雨漏りに気づくとは限りません。
現在の住宅では、外壁や屋根の下には防水シートが張り巡らされていて、雨水が浸入しても内部への浸透を防ぐことができます。
更に下地には構造用合板が使われていることが多く、これもある程度、雨水の浸入を止められます。さらに、外壁内部や天井裏には断熱材が施工されています。
内側には石膏ボードがあり、クロスが貼られているわけです。
建物内部への雨漏りは、こうしたいくつもの層をじわじわと浸入する形で生じます。
建物内部で雨漏りに気づいたときは、すでに雨漏りによる深刻な被害が生じてしまっている可能性があります。
この場合、外壁や屋根の修理だけでなく、建物の全面的なリフォームが必要になってしまいます。
そのため、外壁や屋根の定期点検を行うことで雨漏りにつながるリスクを回避することが大切なのです。

外壁や屋根の定期点検を行うことのメリット

外壁や屋根の定期点検を行えば、劣化に気づいたときにいち早く対処することができます。
初期の劣化症状であれば、塗装工事だけで対処できることもあります。
外壁や屋根の耐用年数が過ぎていて、もはや寿命だというケースでも、外壁や屋根の補修工事だけを行えばよく、柱や梁、土台、耐力壁の交換といった大掛かりな工事は必要ないわけです。
つまり、定期点検を行うことで建物のメンテナンスにかかる費用を最小限に抑えることができます。

外壁や屋根の定期点検を行うべきタイミング

外壁や屋根の定期点検は、新築時または前回の補修工事の時から、10年から15年程度経過したタイミングで行うのが適切です。

現在の一般的な外壁材は、窯業系サイディングですが、この外壁は、塗装により防水性能を発揮しています。そのため塗膜が劣化すると、急速に劣化が信仰してしまうため、そうなる前に塗装によるメンテナンスが必要です。

屋根材は、化粧スレートやガルバリウム鋼板の金属屋根になっていることが多いです。
化粧スレートも防水性能は、塗装により維持しています。
金属屋根は、建材自体に防水性能がありますが、サビが進行すると穴が空いてしまいます。そこで、錆びないように塗装が必要です。

いずれの塗装も10年から15年程度経過すると、塗膜の劣化が始まるため、そのタイミングで定期点検を依頼していただき、劣化症状に合わせて、必要な工事を行うのが理想です。

外壁の定期点検時に対処が必要な劣化症状

外壁の定期点検を行った際にどのような劣化症状が確認されたら、補修工事等が必要になるのか解説します。

✅チョーキング現象

外壁に手で触れたときに手のひらにチョークの粉のようなものがつく現象の事をチョーキング現象と言います。
チョーキング現象は、塗料の中の合成樹脂が紫外線にさらされ続けたことで分解され、顔料が粉状になって塗装表面に現れるものです。
塗料の劣化を示す代表的な症状なので、チョーキング現象が確認されたら塗装工事が必要です。

✅色褪せが生じている

チョーキング現象が現れていなくても外壁の色褪せが生じているのであれば、塗料の劣化が始まっている証拠です。
早めに塗装工事などを行うことを検討しましょう。

✅カビやコケが生じている

外壁の塗膜がしっかりしていれば、菌が雨水により自然に流れるため、カビやコケがこびりつきにくいものです。
発生していたとしても洗えばすぐに流せます。
ところが、洗ってもカビやコケを落とせないような場合は、塗膜の耐水性能が失われて外壁材に根を張ってしまっているということです。
このままでは、カビやコケの根が深くなり、外壁の劣化が進行するため、早期の塗装等にメンテナンスが必要です。

✅塗膜に剥がれやヒビが生じている

塗膜が剥がれていたりひび割れが生じている場合も塗膜の劣化が進んでいる証拠です。
塗膜が剥がれた部分から雨水が外壁材に浸透して、外壁材の劣化を早めてしまうため、早めにメンテナンスが必要です。

✅構造クラックが生じている

構造クラックとは、外壁に0.3mm以上のひび割れが生じている場合を意味します。
これだけのひび割れが生じている場合は、外壁内部に雨水が浸透しやすくなり、建物の構造に大きな影響を与えるリスクがあります。
特に、モルタル外壁の場合に、構造クラックが生じやすいので注意して点検する必要があります。

✅サビが生じている

外壁のうち金属が使われている部分は、経年劣化によりサビが進行することがあります。特に、外壁が金属サイディングの場合は要注意です。
サビが進行すると、最終的に穴が空いてしまうため、塗装によってサビの進行を抑えることが大切です。

✅コーキング（シーリング）の劣化

コーキング（シーリング）とは、外壁の隙間（目地）や外壁とサッシの隙間に充填されているゴム状の物質のことです。
コーキングは、外壁材よりも寿命が短く、10年程度で劣化します。
コーキングが劣化してしまうと、ひび割れたり、剥がれて隙間が生じてしまい、雨水が浸入しやすくなります。
これを防ぐためには、定期的にコーキングの打ち替え工事を行う必要があります。

屋根の定期点検時に対処が必要な劣化症状

屋根は屋根材により耐用年数が異なりますし、劣化時の対処方法も異なります。

✅瓦屋根

瓦屋根は耐用年数が長く50年程度持つこともあります。
しかし、50年間ノーメンテナンスで放置できるわけではなく、15年から20年に一度のタイミングで定期点検が必要です。
その際に対処すべきなのは次のような劣化症状です。
・瓦のズレ
・瓦の欠け
・漆喰の剥がれ
瓦のズレや欠けがある場合は、瓦の葺き直しなどの補修工事が必要です。
また、瓦屋根に使われる漆喰の耐用年数は、20年程度とされています。

✅化粧スレート

化粧スレートは、現在最も利用されている屋根材です。
セメントを主な原料としており、素材自体には防水性能がありません。
防水性は塗装により持たせているため、色褪せやカビ、コケの発生といった塗膜の劣化が確認できる場合は塗装が必要です。
概ね10年から15年経過したら塗装メンテナンスを検討しましょう。

✅金属屋根

金属屋根は、屋根材の中で最も防水性能が高いと言えます。
ガルバリウム鋼板のようなサビに強い屋根材なら、雨漏りの心配はかなり少なくなります。
しかし、全く錆びないわけではないため、定期的な塗装によるメンテナンスが必要になります。
概ね10年から15年経過したら塗装メンテナンスを検討しましょう。

✅棟板金、谷板金

金属屋根でなくても、屋根材には金属素材が用いられている箇所があります。
代表的なのが、棟板金、谷板金と呼ばれる部分です。
棟板金は屋根の頂上部分を覆っている板金です。この部分は釘によって止められていますが、経年劣化すると釘が抜けやすくなります。
板金が浮いているのに放置していると、強風の際にめくれてしまうこともあるので注意が必要です。

谷板金は屋根の下に隠れていて見えにくい部分ですが、雨水が集まる場所なので、劣化しやすい箇所です。
ガルバリウム鋼板のようなサビに強い建材が使われている場合でも定期的に塗装したり、ゴミを取り除いて、雨水が流れやすいようにするといったメンテナンスが必要です。

外壁と屋根の定期点検は同時に行うべき

外壁と屋根の定期点検を行う際は、外壁と屋根とで別々に行うのではなく、同時に行うとコストパフォーマンス的にも有利です。
外壁と屋根の定期点検の結果、補修工事が必要になった場合は、足場をかけて工事しなければなりません。
足場は外壁だけ、または屋根だけの工事でも必要なので、同時に工事した方が、足場代の分、コストを抑えることができます。

まとめ

建物の健全な状態を維持するためには、外壁と屋根の定期点検が必要です。
この記事で紹介したような劣化症状がみられる場合は早めに定期点検をご依頼ください。
良彩建装は、富田林市、河内長野市を中心に大阪府、奈良県で、外壁塗装、屋根塗装、雨漏り修理工事を承っています。
外壁と屋根の定期点検も承っていますので、お気軽にご相談ください。

その他の豆知識

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