雹が屋根に与える影響は？

2023/02/27

雹(ひょう)は直径5mm以上の氷粒で、発達した積乱雲(強い上昇気流によって作られる雲)から降ってくるものです。

雹より小さいものに霰(あられ)があります。
氷粒といっても氷の塊ですし大きいものなので、威力としては小石が落ちてくるのと変わりません。雹が降ることで屋根にどのような影響があるのでしょうか。

雹による屋根の被害とは

雨や雪とは違う固形物の雹が屋根に当たりますので、被害が出ることがあります。
スレート屋根や金属系の屋根のケースでは、雹の衝撃で表面の塗膜が剥がれてしまい、塗膜の剥がれた部分から雨水が染み込んでいくため劣化を早め、耐用年数を短くすることがあります。

見た目には、塗装がやや薄くなって斑点のように見えることがあります。

大きな雹が降った場合、塗膜の剥がれだけでなく、屋根材が割れてしまったり、凹んでしまったりすることもあります。棟包みでも同じことが起こります。
瓦の屋根では瓦が割れる被害が出ることがあります。

スレート屋根などで古い屋根のケースでは、表面に汚れが付着していたりコケや藻が繁殖していたりして、見ただけでは塗装や屋根材の被害が判断できないこともあります。

物置き小屋やカーポートに多い樹脂製の波板屋根では、雹が貫通して穴が開くというケースもあります。
屋根の被害を放置した場合、雨漏りが発生します。

雨漏りは建物の内部に浸入した雨水によって柱や壁などの部材を腐食させる原因になります。

屋根以外にも影響が

屋根以外でも、雹は外壁、雨樋、サッシなどに被害を起こすことがあります。
外壁は屋根と同じく塗装や吹付けを削ったり、凹ませることがあるため防水面での被害があります。
雨樋では特に塩化ビニールなど樹脂製の場合に、穴が開いたりします。

塩化ビニールは新品のうちは一定の柔軟性がありますが、古くなると硬くなってしまうため、衝撃で貫通しやすくなります。

サッシでは、網戸が破られたり、ガラスが割れることもあります。雨戸が付いている場合は雨戸を閉めておくことで被害を軽減できます。雨戸が凹んだりする被害の可能性はありますが、ガラスが割れるよりは軽い被害で済みます。

建物以外では青空駐車の車のボンネットに跡が付いたり凹んだり、ガラスが割れることもあります。

雹が降ったあとにすること

雹が降ることで被害が出ることはありますが、残念ながら屋根は雹の被害を避ける対策を取ることはできません。

まずは、雹が降った後にできることは点検をすることです。できれば専門の業者に点検をしてもらうことです。地上からの目視では限界がありますし、自分で屋根に登るのは危険も伴います。

割れているなどのわかりやすい被害であれば見て判断ができますが、塗装にどの程度被害があるかは判断が難しいことが多いです。
点検の結果、なんらかの対応、修理工事や交換工事などが必要となれば、雹という災害の被害を受けたことになります。

その場合、火災保険に加入していれば、その費用を火災保険によって賄うことができます。火災保険の多くには、火災による被害だけでなく自然災害による被災を広くカバーしているものがあります。被害状況を撮影した写真が必要になります。

修理前の状況を撮影しておきましょう。もちろん、掛かった交換費用や修復費用の見積書や契約書を必ずもらって下さい。

雹が降る時期とエリアは

雹が降るのは春と秋にかけての5月〜9月ごろで、特に多いのが5月、6月です。
雹の発生は気温差と積乱雲に関わっています。昨今の異常気象もありますので、時期外れの雹もないとはいえません。
雹が降るエリアで多いのは、北海道〜東北の日本海側ですが、北関東も多く、神奈川や東京都心部でも降ることがあります。西日本では比較的少ないのですが、気象条件に左右される以上、今後は増えるかもしれません。

まとめ

雹が屋根に与える影響、屋根への被害について、解説しました。
近年は異常気象で竜巻や大型の台風、雹などによる被害が増加しています。
雹が降るのを止めることはできませんが、その後の点検をしっかりと行い、対応することで雨漏りなどの2次的な被害を食い止めることができます。修理などにかかる費用は火災保険を利用できることがありますので必ず確認しましょう。